1ヶ月半のスピードで完遂・数倍の業務効率化を実現
「20年使ったシステムを、たった1ヶ月半でリニューアル」AIで現場を変えた富山発DXプロジェクトの裏側

長野県を拠点に、長年にわたり製造業を支えてきたK製作所様(仮称)。地域を代表するメーカーとして、国内外に製品を供給しています。
今回ネルフィンがご支援したのは、20年近く使われてきた基幹社内システムの全面刷新と、AIを活用した業務最適化、そして自社内製チャット機能の統合でした。
「高品質をハイスピードで」をコンセプトに掲げるネルフィンは、ヒアリング初日にUIモックを提示。プロジェクト開始からわずか1ヶ月半でシステム完成・β版による実証実験まで到達しました。
経営企画を統括するT様、情報システム責任者のN様、そして現場の生産管理を担うS様にお話を伺いました。あわせて、ネルフィン代表の油谷駿杜にも、プロジェクトの裏側を語ってもらいました。
※本記事はK製作所様(仮称)のご厚意により取材させていただきました。社名・お名前については、お客様のご意向によりイニシャル表記としています。
企業名: K製作所様(仮称)
業種: 製造業
従業員数: 約300名
所在地: 長野県
ご支援前の状況: 20年来の老朽システム、オンプレミス依存、高額な保守費、現場の操作性問題
プロジェクトのサマリ: クラウド移行・Webアプリ化を実現 / 発注予測AIで対象業務の効率を数倍に / 自社内製チャットでメール文化を脱却

1. 20年使った基幹システム
ー 今回のプロジェクトに至るまで、社内ではどのような課題がありましたか?
T様(経営企画)
私共の社内システムは、大手のSIerさんに依頼して構築したもので、導入から20年近く経過していました。
長年使い続けてきたので愛着もあるんですが、大きく3つの課題がありました。
- 操作性の悪さ。画面遷移が多く、使い慣れたベテラン社員でも迷うことがあった
- Windows OSに縛られており、Macbookを使用する役員からは不満が出ていた
→近年、社用スマホを配布したことにより、モバイル対応を要望する声も上がっていた - 保守費用の高さ。メンテナンスのたびに高額な固定費が発生していた
N様(情報システム)
一度大手のSIerさん複数社にも相談したんですが、提案された見積もりは4桁万円規模で・・・。
そこまでの投資は弊社の規模では難しく、足踏みしていた状態でした。
外部のSaaSへの移行も考えましたが、弊社の扱っている商材や製造業務フローの都合上、どうしても自社開発をする必要がありました。

2. なぜ大手SIerではなく、地元の若い会社に頼んだのか
ー ネルフィンに相談されたきっかけを教えてください。
T様(経営企画)
きっかけは、長野県内の経営者交流の場で油谷さんとお会いしたことでした。
正直、最初は「若い方だな」という印象でした(笑)。
ただ、お話を聞いていくと、全国60工場以上に導入されているAI外観検査システム「Ai-Capt」の話になり、若いながらにしっかりと事業をされていることに驚きました。
地元・富山を拠点にしながら、全国の製造業の課題を解決している。そういう会社が隣の富山県にあるなら、まず話を聞いてみたいと思ったんです。
油谷
ありがとうございます。T様と初めてお会いした日、富山に日帰りの予定でしたが、急遽予定を変えて翌日本社に伺ったのを覚えています。笑
私たちネルフィンは「人とAIで地域をもっと前へ」というビジョンを掲げています。
最初のヒアリングでお話を伺ったとき、せっかく作り直すなら、ただのシステム刷新に終わらせず、AIまで組み込んで、5年、10年先も使い続けられるものにさせていただきたい、とご提案させていただきました。
N様(情報システム) 実は、当初の依頼内容は「システムリニューアルとクラウド化」だけだったんです。
AIの話は、油谷さんからの追加提案でした。
最初は「うちのような会社にAIなんて、本当に効果が出るのかな」と半信半疑でした。
でも、せっかくのご縁ですし、試しにお願いすることにしました。
3. その場でUIのイメージをご提示。「びっくりした」
ー プロジェクトはどのような流れで始まりましたか?
油谷
ネルフィンが大切にしているのは、「最初の打ち合わせで、できるだけ完成イメージをご共有する」ということです。
今回のK製作所様との初回ミーティングの際も、ヒアリング内容をその場で整理しながら、簡易的なUIのイメージをご提示しました。
「こういう画面で、こう操作する仕組みです」と具体的に見ていただいたんです。
T様(経営企画)
あれには本当にびっくりした。
普通、SIerさんに依頼すると、UIのイメージが見えるまで、日を改めて、何度もやりとりするんですよね。
でもネルフィンさんは、ヒアリングの場でもう画面イメージが出てくる。
S様(現場・生産管理)
私はシステムが専門ではないので、文字で書かれた仕様書はピンと来ないんです。
でも画面を見せてもらえると、「ここはこうしてほしい」「ここはいらない」と具体的な意見が出せる。
結果として、要件定義に何ヶ月もかける必要がなく、ヒアリングの場でおおかたのイメージを固められたのが大きかったです。
4. AIによる発注予測で、業務効率が数倍に
ー システム刷新に加え、AIによる業務最適化も行われたとのことですが、具体的にはどのような取り組みでしたか?
油谷
大きく2つご提案しました。
ひとつは、生産管理における発注予測AIです。
過去の生産実績、季節変動、取引先からの受注データなどを学習させて、「いつ、何を、どれくらい発注すべきか」をAIが提案する仕組みです。
もうひとつは、業務フロー全体のAIアシスト。たとえば申請書の起票時、過去の類似案件をAIが自動で提示するような、現場担当者の判断を支える機能ですね。
S様(現場・生産管理)
発注業務は、これまで完全にベテランの社員さんの経験と勘に頼っていました。
AIを導入してから、発注業務にかかる時間が大幅に短縮されました。
もちろん完璧ではなく、ある程度の手直しは必要ですが、その手直しもAIが学習して、どんどん賢くなっていく。
具体的な数字は社外秘なので控えますが、現状従来の数倍のスピードで処理できるようになっているのは間違いないです。
T様(経営企画)
経営目線で言うと、特定の社員に依存していた業務が、組織として再現できるようになったのは大きい。
事業継続性の観点でも、安心感が違います。

5. SlackでもTeamsでもない、自社内製チャットという選択
ー 今回の社内システムには、新しくチャット機能も搭載されたそうですね
N様(情報システム)
はい。社内のやり取りはほぼメールだけで、いつかグループウェアを導入しなければいけないという課題感を持っていました。
最初は「SlackかTeamsを導入しようか」という話も出ていたんです。
ただ、毎月のライセンス料の固定費が課題でで、社内の検討が思うように進んでいませんでした。
そのお話を、雑談程度にだけ油谷さんにさせていただきました。
油谷
そこでご提案させていただいたのが、「新しい社内システムの中にチャット機能を組み込む」というアイデアです。
ちょうどシステム全体を作り直すタイミングですので、追加コストを最小限に抑えながら、SlackやTeamsに匹敵する使い勝手を実現できる。
さらに、自社システム内に組み込むことで、業務データとチャットの会話を直接連携できる強みもありますし、何より固定費はほぼゼロに抑えられます。
N様(情報システム)
グループウェアの導入に関しては、以前から積極的に検討していたため、期待通りではありつつ、社内システムのデータとの連携に加え、固定費の課題についても解決されたことは非常にありがたかったです。
S様(現場・生産管理)
私も、メールのやりとりが激減しました。
特に社内の人間とのやりとりだと、リアクション(絵文字)だけで終わることが多く、本当に楽になりました。
しかもAIが会話内容を要約してくれたり、関連資料を提示してくれたりします。
中高年のベテランの社員さんたちに馴染むかは不安だったんですが、「これ、もう手放せないね」と言われるほどで、ほっとしています(笑)。
6. 1ヶ月半でβ版まで完成
ー プロジェクト開始から、わずか1ヶ月半で完成・実証実験まで到達されたと伺いました。なぜそこまで早く進んだのでしょうか?
油谷
大きく3つの要因があったと考えています。
- 初回でUIモックを提示したこと。完成形が早期に共有できると、その後の手戻りが圧倒的に少なくなる
- お客様の意思決定の速さ。決裁ラインがシンプルで、提案がすぐに反映された
- ネルフィンの並行開発体制。設計・開発・AI実装を同時並行で進められ、「順番待ち」が発生しない
T様(経営企画)
通常、この規模のシステム刷新は半年から1年が相場と聞いていました。
それが今回、2週間ほどでスピーディーに初回成果物が上がってきたのは驚きました。
早いからといって雑なものが出てくるわけではなく、細かい要望も漏らすことなくきちんと応えてくれた。
油谷
「高品質なものをハイスピードで」は、ネルフィンが最も大切にしている理念です。
スピードだけでも、品質だけでもダメ。両方を同時に実現することに意味があると考えています。
7. これからネルフィンに依頼を検討する企業へ
ー 最後に、ネルフィンの支援を他社におすすめするとしたら、どのような企業にフィットすると思いますか?
T様(経営企画)
どんな会社でも馴染むと思いますよ。
でも、AIに興味がある、という会社には特におすすめだと思います。
今回弊社はそれがメインの目的ではありませんでしたが、結果的にAIでさらに素晴らしい成果を出すことができました。
S様(現場・生産管理)
私は、ヒアリング力のある会社を探している方には、ぜひネルフィンさんを推したいです。
油谷さんは、毎週現場に来てくれて、現場の部門の困りごとも丁寧に聞いてくれた。
私が取りまとめてお伝えするコストがなくなりましたし、より生の意見を聞いていただくことで、社内全体で使いやすいシステムが仕上ったと思っています。
油谷
ありがとうございます。
今回K製作所様との取り組みは、私たちにとっても本当に学びの多いプロジェクトでした。引き続き、よろしくお願いいたします。